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【ジュリア・ミント プーチンの国より愛を込めて】姿を見なくなったおばあさんを心配 (1/2ページ)

 ドブラヴィーチェル、親愛なる日本の皆さま!

 私はコロナウイルスの自己隔離中の間、時々ある人の安否を気にしていました。

 その人は背中を丸めたおばあさんで、よく路上や近所のスーパーの入り口付近で、小さな布を床に広げ、その上にいくつかの商品を置いて、歩いている人に声をかけていました。

 ある日、買い物客の一人が「リュドミラ」とおばあさんの名前を呼んでいたので、おばあさんがリュドミラという名前と知りました。

 リュドミラは、夏になると路上でパセリの束や小さなリンゴが入った袋を売り、冬にはスーパーの入り口付近で自家製の漬物やジャムなどを売っていました。そして、野菜類が入った重そうなバスケットをゆっくりと歩きながら自分で運び、自宅と売り場を往復していました。おそらく彼女はそれらの野菜を自宅の庭で栽培していたのでしょう。

 リュドミラが家族や親戚といるところを見たことはありません。たぶん彼女は今は一人暮らしで天涯孤独なのだと思います。そのため、毎月受けとる年金では足りず、生きていくための手段としてこの道を選んだと想像できました。

 でも、花が描かれたきれいなハンカチを頭に巻いて物を売るリュドミラの表情はいつも楽観的で、むしろ誇り高くみえました。そこで、もし通行人の誰かがお金をあげようとすると、リュドミラは彼らが商品を買わない限り絶対にお金を受けとろうとしません。「自分は物乞いではない」という彼女の良心とプライドがそれを許さないのです。

 その場面を見たとき、彼女は生涯ずっと働き続け、さまざまな時代を力強く生き抜いてきた人だと感じました。