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【富坂聰 真・人民日報】香港の「一国二制度」は明らかに後退する 国家安全法制と抗議意思の実態 (1/2ページ)

 この原稿を書いている時点で日本のメディアの最大関心事-中国の話題限定だが-は、香港の「国家安全法制」だ。

 残念だが香港の「一国二制度」は明らかに後退するだろう。皮肉な話だが、「藪をつついて蛇を出して」しまったのだ。

 台湾で恋人を殺し香港に逃げ帰った男の事件をきっかけに香港政府が他国との間で犯人引き渡しを可能とする条例改正に動いたのに対し、これが成立すれば中国への政治犯引き渡しが可能になると反発して起きたのが昨年6月のデモだった。

 だが、北京が条例を香港に強く求めたとは考えにくい。中央政府がやろうと思えば条例などなくてもできるし、実際にやってきたからだ。

 突然リングに上げられた北京は、ここで激しく怒りを爆発させる香港の若者たちの行いに接し、危機感を強める。

 これが「藪をつついて……」の過程だ。

 日本のメディアはこの問題を民主化を軸にした二項対立でしか描かないが、それでは不十分だ。

 特に「国家安全法制」が全国人民代表大会で採決されたことに対し「日本も香港のために声を上げるべき」という意見があるのならなおさらだ。

 まず把握しなければならないのは香港の人々がすべて中国「No!」でまとまっているのか、ということだ。

 そもそも逃亡犯条例を通そうとした人々は香港人ではないのだろうか、という疑問だ。実際は香港人でないどころか、対外的には香港を代表する人々である。

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