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【高橋洋一 日本の解き方】野党が追及する専門家会議の「議事録未作成」…基準定めたのは民主党政権 意見採用は政治家の役割だ (2/2ページ)

 「議事録」と「議事概要」の差は、基本的には発言者を特定するかどうかである。専門家会議で議事録が作成されていないと報道されているが、正確にいえば、発言者が特定されない議事概要が作成されているが、その公表が昨今の事情で遅いということになる。

 ここで問題は、なぜ議事録ではなく議事概要なのかに絞られる。官房長官の記者会見によれば、専門家会議は政策の決定や了解に関わらないので発言者を特定しない議事概要にすることとし、初回会合で委員の了解を得たという。この手続きは、東日本大震災後の2011年4月1日に民主党政権で決定された「行政文書の管理に関するガイドライン」に定められたものだ。

 専門家会議は助言するにすぎないので、発言者が特定されない議事概要の作成とすることで問題はない。一部野党が攻めているようなマスコミ報道であるが、そのうち「ブーメラン」になりはしないか。専門家会議ではいろいろな意見が出ても、それらのうち何を採用するかは、政治家の対策本部の役割だ。

 政府は批判を受けて、専門家の了解が得られれば、発言者を一部明示するなどの対応を含めて検討に入ったと報じられている。

 ただ、専門家会議での発言者を特定すると、新元号の制定時にあったように、マスコミの取材攻勢が特定の研究者の研究活動に迷惑になりうることもある。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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