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【高橋洋一 日本の解き方】米抗議デモ過激化の背景に…コロナ禍で戦後最悪の失業率 破壊活動勢力の資金源にも注目 (1/2ページ)

 米国で黒人男性が白人警官に暴行を受けて死亡したことをきっかけに、各地で大規模な抗議デモが起き、一部で暴動や略奪も発生した。

 米国では急速に雇用が悪化している。4月の非農業部門の就業者数(季節調整値)は前月比で2050万人減少した。4月の失業率は前月の4・4%から14・7%まで上昇した。ともに第二次世界大戦以降、最悪である。

 全米でデモや暴動、略奪が起きているのはこうした背景がある。警察に抗議する人もいるが、別の場所では略奪も横行している。さらに別の場所では無政府的な破壊活動も行われているようだ。これらは、同じ思想の集団がやっているというより、別々の思想・背景の人が入り交じっているのだろう。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済ショックにより、多くの失業者が出て、そうした人の一部を暴動や略奪に向かわせた可能性がある。もちろん、米国政府は、国民に給付金を配布しているので、当面はしのげているが、職がない中で家賃の支払いが滞ってきているという話もある。

 国内総生産(GDP)が落ち込むと、失業率が上昇するのは、「オークンの法則」としてよく知られた現象だ。そして、失業率が上昇すると、自殺率や犯罪率が高くなるのも、よく知られた社会現象である。現在の米国の状況はこれまでの経験則が当てはまっているといえるだろう。

 抗議デモの様子を見ると、米国社会が垣間見える。白人警官による黒人への暴行に怒り、純粋に警察に抗議している人はもちろん多い。一方で別の所で略奪する人は、経済的に困窮していたり、それに便乗している人たちだろう。米国はちょっと治安が緩むと略奪が起こりやすい社会だ。

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