記事詳細

【日本の選択】横田滋さん死去…朝日新聞の猛省なき追悼の言葉に怒り! 真っ当な主張に違和感を覚える過去の許しがたい「社説」 (2/2ページ)

 忘れもしないのは1999年8月31日の朝日新聞の社説である。「『テポドン』一年の教訓」という題の社説で、朝日新聞は日本側に対し、「人道的な食糧支援の再開など、機敏で大胆な決断をためらうべきではない」と前置きして、次のように主張していた。

 「日朝の国交正常化交渉には、日本人拉致疑惑をはじめ、障害がいくつもある」

 拉致が「障害」であるとの表現に、私は社説執筆者の酷薄さを感じずにはいられなかった。拉致された被害者は、何か悪事を働いたわけではない。偶然、その場に居合わせたために拉致されたのだ。他国の暴力によって同胞の人生が完全に狂わされたことに対する憤りと同情の念、必ず取り戻さねばならぬという情熱、そういった思いを僅かも感じさせないのが「障害」という表現だった。

 いくら同じ朝日新聞の執筆者とはいえ、滋さんの逝去を悼む気持ちを否定するつもりは毛頭ない。だが、朝日新聞が過去に拉致被害者のご家族にどのような態度を示してきたのか、この部分を真摯(しんし)に反省すべきなのではないか。猛省なき追悼の言葉はあまりに空虚である。

 ■岩田温(いわた・あつし) 1983年、静岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院修士課程修了。拓殖大学客員研究員などを経て、現在、大和大学政治経済学部政治行政学科准教授。専攻は政治哲学。著書・共著に『「リベラル」という病』(彩図社)、『偽善者の見破り方リベラル・メディアの「おかしな議論」を斬る』(イースト・プレス)、『なぜ彼らは北朝鮮の「チュチェ思想」に従うのか』(扶桑社)など。

関連ニュース