記事詳細

【富坂聰 真・人民日報】米国による対中経済競争戦略…「政治的デカップリング」の行方 (1/2ページ)

 ミネアポリスの警官による黒人死亡事件に端を発したデモが全米140都市に広がった。一部では暴徒による略奪も起きていて市民生活にも混乱が及んでいる。

 日本のネットでは早速「裏で中国共産党が……」と陰謀説が飛び出し、苦笑せずにはいられなかったが、いずれにせよ、そんな事実があれば、中国たたきに余念のないドナルド・トランプ政権が放っておくはずはない。

 もっとも中国の関与などなくとも米国の若者たちに左傾化の波が広がっていることは、前回の中間選挙のころから顕著であった。デモの裏側には少なくとも人種差別問題と南北問題が透けてみえるのである。

 そしてもう1つの亀裂が今週のテーマである政経の分断である。それを引き起こしている要因こそが中国なのだ。

 どういうことか。キーワードは、やはりデカップリング(=非連動、切り離し)である。

 コロナ禍が米国に波及したことでトランプ政権がいよいよ中国への圧力を強めたと多くのメディアが報じているが、実際はそうではない。それ以前から着々と進められてきている。

 少なくとも2019年末には、米国立アジア研究局が「部分的デカップリング」と題したリポートを発表。「中国との経済競争に向けた新戦略」を打ち出している。

 そのなかで「持続的繁栄を実現するためにはハイテクなどの分野で中国とは分離すべきであり、部分的デカップリングをすることで中国を牽制(けんせい)すべきである」と提言しているのだ。

関連ニュース