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【長谷川幸洋「ニュースの核心」】米中の対立激化が北朝鮮を動かす!? 安倍政権はまず対中戦略を…その先に拉致問題の新たな展開 (2/2ページ)

 習氏は貿易問題で攻勢を強めていた米国の圧力をはね返すためにも、「対米交渉の切り札」として正恩氏を利用していた。日米の連携に対して、北朝鮮と中国も事実上、連携して対抗したのである。

 以上の経験から明らかになったのは「北朝鮮を動かすには中国を動かさなくてはならない」という教訓である。いくら北朝鮮を経済制裁で締め上げても、陸続きの中国が支援物資を送り続ければ、北朝鮮は生き延びてしまう。つまり制裁は効かない。

 だが、いま全体環境は大きく変わりつつある。

 トランプ政権の対北交渉が暗礁に乗り上げたところへ、新型コロナウイルス問題が起きた。さらに香港問題も加わって、米中関係はこれまでになく緊張が高まっている。

 米中の対立激化は、北朝鮮を動かすうえでプラスだろう。なぜなら、中国が孤立化すればするほど、北朝鮮を支援する力が削がれる。自国の利益を守るだけで手一杯になって、北朝鮮どころではなくなるからだ。

 安倍政権はまず、対中戦略を練り直す必要がある。その先に拉致問題の新たな展開が見えてくるはずだ。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。

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