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【大前研一 大前研一のニュース時評】中国「国家安全法制」導入決定に香港芸能人ら支持 中英共同宣言の約束破られた「1国2制度」の行方 (1/2ページ)

 香港で反中国活動を禁じる「国家安全法制」の導入が全人代で決定したことを受け、人気俳優のジャッキー・チェンら2000人を超える人たちが連名で支持を表明した。新たな法制により、言論の自由が圧迫される可能性が高いと指摘されるが、声明では「国家の安全を守る重要性は十分に理解できる」としている。

 香港の芸能人にとって、中国本土は重要な市場。このことも影響している。それに加え、ジャッキーら香港のお金持ちは、基本的に「世界の金融市場の1つを形成する香港に、世界の一流企業がやってくる。それで自分たちも繁栄を享受できる」と考えている。

 香港の不動産を多数所有する人にとっては、若者の大規模なデモ行為は「香港の価値を低めるのでやめてほしい」とひそかに願っている。小売店主も「中国から買い物客がこなくなるので、迷惑だ」と考えている。

 一方、世界の多くの人は、香港の民主化要求を支持し、1997年に香港の主権が英国から中国に返還された際に導入された「1国2制度」は、返還から50年、つまり2047年まで維持される措置のはずなので、「あと27年は約束を破らずに続けてほしい」と願っている。

 中英共同宣言で香港は特別行政区と定められ、資本主義や言論や集会の自由を含めた民主社会制度の維持が認められた。しかし、中国はその「1国2制度」の約束をねじ曲げ、さまざまなことを形骸化させて「1国1制度」に持っていこうとしている。

 最後の香港総督を務めたクリストファー・パッテンは、「香港の今後は大丈夫です」と言って英国に帰った。これについて、英国は責任を感じる必要があるといわれている。

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