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【富坂聰 真・人民日報】トランプ大統領の思惑とは裏腹に…中国進出にメリット見いだす米企業 日本だけが見落としているものとは (1/2ページ)

 前回は中国とのデカップリング(切り離し)を進めたい米ドナルド・トランプ政権と経済界との間に吹くすきま風について触れた。

 4月22日には米エネルギー企業「エクソンモービル」が広東省でエチレンを生産するプロジェクトの着工式がオンラインで行われたばかりだ。石油化学のプロジェクトが米企業単独で行われるのは初めてのこと。投資総額も100億ドルと巨額だ。5月19日にはやはり米ハイテク企業のハネウェル社が、新興国総本部とイノベーションセンターを中国・武漢に置くことを発表した。またウォルマートやスターバックスコーヒーなど中国に進出した米国企業の約40%が、今後も中国での投資を拡大させる予定だという。

 日本の参天製薬も蘇州の第2工場をスタートさせたばかりだ。

 これらはたとえ中国に問題があったとしても、「出る」ことにメリットを見いだしたという個々の判断の集積である。

 そうした個々の経営判断に政治が影響を与えることは簡単ではない。それは中国に「反日」の風が吹き荒れた期間も日本からの対中投資が激増した過去が証明している。利益を出すことが至上命題の企業にしてみれば当然の判断だろう。

 またアメリカ企業を中心とした生産のチェーンから中国を外したいというドナルド・トランプ政権の思惑もうまくいっているとは言い難い。

 相変わらずヨーロッパの腰は重いのだ。

 とくにドイツ、フランスが対中包囲網には慎重だ。このヨーロッパの動きは日本人には奇異で、「中国の幻想」に取りつかれているとも説明されるが、的外れだ。

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