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【長谷川幸洋「ニュースの核心」】人種差別反対デモ止まらず支持率下急落… トランプ大統領、再選のカギは中国・習主席か!? (2/2ページ)

 習氏が香港への「国家安全法」導入を強行すれば、トランプ氏は香港への優遇策を取り消し、香港と中国の当局者も制裁するだろう。そうなれば、中国が1月に貿易交渉・第1段階合意で約束した「2年間で2000億ドル(約21兆4540億円)の輸入」は事実上、吹き飛んでしまう。

 その限りでは経済活性化に役立たないが、一方で「中国の脅威」を際立たせ、大統領の求心力を高めるうえでは、プラスである。中国に進出した米国企業が戻ってくれば、経済にもプラスになる。

 そもそも、新型コロナウイルスの感染拡大で、米国と世界を途方もない窮地に陥れたのは中国だった。そんな中国と誰が戦うのかとなれば、中国に甘かったバイデン氏は不利になる。同氏には、息子がかつて中国系ファンド運用会社の取締役を務め、巨額の利益を得ていた問題もある。

 つまり、習氏が米国との対決姿勢を強めれば強めるほど、現職大統領のトランプ氏が有利になる構図なのだ。

 人種差別反対運動は続くだろうが「ピークはいま」なのかもしれない。選挙本番が近づくにつれ、有権者は「中国と経済」に焦点を充てるだろう。トランプ氏逆転のチャンスも、そこにある。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。

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