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リニア、2027年の開業延期へ 静岡県知事とJR東海社長が会談も物別れ 識者「静岡通らないルート検討も」

 JR東海が東京-名古屋間で計画するリニア中央新幹線について2027年の開業が延期される見通しとなった。37年に予定する名古屋-大阪間の延伸計画も見直しを迫られる。総工費9兆円超で輸出も視野に入る国家的事業だけに、影響は計り知れない。

 東京-名古屋間約286キロのうち、静岡工区は山梨県と長野県に挟まれた南アルプストンネルの一部の8・9キロのみだが、トンネル掘削工事に伴う大井川の流量の減少が懸念されるとして静岡県が反対している。

 26日にはJR東海の金子慎社長が川勝平太知事と会談。金子氏は「(国や地方自治体から)開業の期待を背負っている」と訴えたが、川勝氏は「大井川は60万人の命の水だ」「環境と両立するかを考えなければならない」と主張して物別れに終わった。JR東海は事実上の期限としていた静岡工区の月内準備工事着手を断念、来週にも開業延期と計画の見直しを表明する見通しだ。

 政府はリニアを成長戦略の柱としている。財政投融資で調達した3兆円を融資し、大阪延伸事業を最大8年間前倒しさせた。米国への導入も目指している。折しも中国が同日、時速600キロのリニア走行実験に成功したと発表した。

 鉄道アナリストの川島令三氏は、「日本の技量の方がはるかに上だ」としながらも、静岡県の態度に疑問を呈する。「他県でも水脈の枯渇が指摘されながら結論をつけた中で、かたくな過ぎる。過去の新幹線建設でも水脈に当たるため迂回させた例があり、いっそ静岡県を通らないルートを検討してもいいとすら考えられる」と指摘した。

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