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【富坂聰 真・人民日報】“ボルトン砲”のリアルが吹き飛ばす日本人の“甘え” 浮かび上がる米中関係と日本の立場 (1/2ページ)

 「あなたは中国の歴史上、最も偉大な指導者だ」。真偽がいまだ保留されているとはいえ、当たらずとも遠からずな発言はしたのだろう。

 これはドナルド・トランプ政権で大統領補佐官(安全保障担当)を務めたジョン・ボルトン氏が記した暴露本のなかで明らかにされたという習近平国家主席への言葉だ。発言者はもちろんトランプ大統領である。

 米国が新たな追加関税を課さないことと引き換えに、中国が米農産品購入を優先事項とする協議の再開に応じた直後とはいえ、あまりに手放しでもち上げている。

 ボルトン氏の暴露本への反応は、世界各国でさまざまだ。いや、国籍で区切るのは適当ではないかもしれない。

 ただ、米中関係の実態をこの暴露本から読み取ろうとする動機は、国籍や立場に関係なく強烈に働いているはずだ。

 とりわけ膨張する隣の大国と向き合い、その安全保障を大きく米国に依存する日本は敏感にならざるを得ない。

 もっとも冒頭の、習国家主席をベタ褒めした言葉に“実”はない。ディールに満足した大統領がはしゃいだだけのことだ。

 だが、今回のボルトン砲が日本にとって深刻なのは、米中対立の焦点である「香港問題」や「ウイグル問題」に対するトランプ大統領の反応が極めて薄いと、描かれていることだ。

 暴露本が出る前から分かっていたことだが、あらためてウイグル問題を農産品の買い入れ拡大とあっさりディールする大統領が描かれれば、さすがに複雑な気分だ。

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