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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】桜島で火山噴石3キロ飛ぶ 民家の屋根に大きな穴が開いたのに…気象庁は噴火警戒レベルをなぜ引き上げないのか (1/2ページ)

 鹿児島・桜島火山で騒ぎが持ち上がっている。民家の屋根に噴石が飛んできて大きな穴が開いたのに、気象庁は「噴石が人家まで飛んで、噴火警戒レベルを上げる」ことを認めなかったからだ。

 民家の屋根に穴が開いたほか、海岸沿いに点在する集落から100メートルほどの林の中で大きな穴が見つかった。直径6メートル、深さ2メートルの穴だ。火口から出た推定50センチ~1メートルの噴石が地面をえぐった穴だった。6月4日の早朝、暗いうちだ。

 ともに火口から3キロほど離れたところ。桜島では火口から2・5キロ付近に集落があり、噴石が到達すれば人的被害のおそれがある。島内の別の地域でも直径5センチほどの噴石が飛んでいた。明らかに住民の避難が必要な「レベル5」にあたる事態だった。気象庁の「噴火警戒レベル」はレベル3の「入山規制」で、火口から2キロ以内は立入禁止だったが、この中に民家はなく、住民の避難は必要ではなかった。

 大きな噴石の飛んだ距離は火口から3キロを超えていた。こんな遠くまで噴石が飛んだのは34年前の1986年11月以来のことだった。

 だが気象庁は「レベル5に引き上げる判定基準の『大きな噴石が火口から2・5キロ以上に飛散』とは複数の噴石が飛ぶことを指している。今回は噴石が1つなので、レベル5に上げる対象ではない」「レベル5の見逃しではない」と言い張って、レベルの引き上げを拒否した。

 しかし、公開されている判定基準のどこにも「複数」という言葉はない。複数でなければ該当しないというのはおかしい。1つでも人は死んでしまうのだ。

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