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【大前研一 大前研一のニュース時評】制度設計甘い「中小企業支援策」 コロナで日本の行政の「IT化」という盲点が明らかに (1/3ページ)

 国民1人に10万円が給付される特別定額給付金は、多くの自治体が8割以上配り終わっているのに対し、東京23区の中にはまだ20%というところがある。私はこの給付金を新型コロナで損害を受けた飲食業の人に差し上げようと思って心待ちにしているが、申請から1カ月以上たったのに、6月末現在、まだ届いていない。オンライン申請ひとつ、まともに機能しない。こんな簡単なことがなぜできないのか。

 今回、日本の行政がいままでサボッてきたIT化という盲点が明らかになった。さすがに政府も「何とかしなくては」と思ったようだが、肝心の何とかできる人間がいない。日本には、マスクの在庫がひと目でわかるアプリを開発するなど、コロナ危機で大活躍した台湾の唐鳳(オードリー・タン)デジタル担当大臣のような天才的ITエキスパートがいない。通信担当の高市早苗総務相にこういうことを理解する力はないだろう。

 さらに得意じゃない人が、実はIT担当だったという笑えない話もある。自民党の「日本の印章制度・文化を守る議員連盟」(はんこ議連)会長職について、「会長をしていると、デジタル化に反対という印象で物を語る人が世の中にいるから辞任した」と語った竹本直一IT・科学技術担当相だ。

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