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【菊池雅之 最新国防ファイル】海上自衛隊音楽隊 女性ボーカルを採用して話題、三宅3等海曹は“防衛省の顔”に (2/2ページ)

 教育科は、東京音楽隊のみの編制だ。東京音楽隊員に限らず、海自全音楽隊員の教育を行う。音楽大学から講師を招いて演奏を指導するだけでなく、自衛官として必要な教育・訓練、そして教養の履修といったことも行う。よって、東京音楽隊長には「音楽学校長」という一面もある。

 音楽科は、50人いる演奏者全員が所属しており、まさに音楽隊の基幹だ。東京音楽隊は、陸空音楽隊に先駆けて、声楽(ボーカル)担当の女性自衛官を採用したことで注目を集めた。それが、三宅由佳莉(ゆかり)3等海曹だ。海自の顔にとどまらず、防衛省の顔ともなった。反響の大きさを受け、その後、陸自や空自の音楽隊でもボーカルを採用した。なお、彼女は現在、横須賀音楽隊に所属している。

 活動範囲は日本全国だ。海上自衛隊の行事・式典はもとより、自治体や民間の求めに応じたコンサートでも演奏を行うことがある。ロシア海軍300周年記念行事(96年)、大韓民国国際観艦式世界音楽祭(98年)、ノルウェー憲法制定200周年記念日行事ミリタリー・タトゥー2014、スイス・バーゼル・タトゥー2016など、海外公演の経験も豊富だ。

 今は新型コロナウイルス予防のため、すべてのコンサートが中止となっているが、再び演奏を聞いてみたいものだ。

 ■菊池雅之(きくち・まさゆき) フォトジャーナリスト。1975年、東京都生まれ。講談社フライデー編集部を経てフリーに。陸海空自衛隊だけでなく、米軍やNATO軍、アジア各国の軍事情勢を取材する。著書に『自衛隊の戦力-各国との比較』(メディアックス)、『陸自男子-リクメン』(コスミック出版)など。

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