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【日本の元気 山根一眞】ハザードマップ次第で命を失うことも…国と自治体は重大な“違い”について説明を (1/3ページ)

 7月4日、熊本県・球磨川の氾濫で濁流が押し寄せた特別老人ホーム、千寿園(球磨村大字渡)の入所者14人が亡くなった。多くの人命を奪う「観測史上初」「50年に一度」などと報じられる大雨被害は毎年この季節の「恒例」になってしまった感がある。

 土木工学の専門家は、千寿園が濁流に襲われた原因は「バックウオーター現象」だと説明している。球磨川は千寿園の少し下流で川幅が狭くなっており、押し寄せた水を流しきれず急激に水位が上昇、支流の水の行き場もなくなったことも重なり、高さ約10メートル超の濁流に見舞われたという。

 もっとも、それは被災現場の地理的条件であり、主原因が記録的な降水量でもたらされた膨大な水のパワーであることは明らかだ。

 球磨川の源流、水上村は標高が1400-1500メートルで八代海にそそぐ河口まではU字型のルートをたどり、全長115キロと比較的短い。

 この上流と下流の大きな高低差と谷間を縫う川幅の狭さが、観光の目玉、急流下りを支えている。球磨川は、最上川、富士川と並ぶ「日本三大急流」で、流れの速さはダントツなのである。

 その川が「経験したことがない」ほどの水量となれば、氾濫は避けられない。1965(昭和40)年の同じ梅雨期の大雨では、家屋損壊・流出1281戸、床上浸水2751戸、床下浸水1万74戸の大水害に見舞われ、27(昭和2)~2011(平成23)年の80余年間に15回も水害を起こしてきたのが球磨川なのである。

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