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【高橋洋一 日本の解き方】中国への圧力、一段と強める米国…「ドル取引排除」の最強手段も バイデン政権でも“強硬”路線継続か (1/2ページ)

 ポンペオ米国務長官が、中国の南シナ海の領有権の主張について「完全に違法」と述べるなど対中圧力を強めている。米中の衝突がさらに激しくなる可能性はあるのか。

 米国の基本的な外交方針として、自国に利害関係がない限り他国間の領有権問題について介入しないというものがある。

 2016年7月、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は中国の主張してきた南シナ海の領有権について「国際法上の法的根拠がなく、国際法に違反する」とする判断を下した。これに対して中国は、単なる「紙切れ」だと言って無視した。

 米国は、従来の外交方針を受けて意見表明はなかったが、米海軍と空軍は、南シナ海で定期的に「航行の自由作戦」を実行している。しかし、今回のように米国が公式に中国の領有権を否定したのは恐らく初めてだろう。

 なぜ、今ポンペオ氏がこうした発言をしたのだろうか。まず、4年前の常設仲裁裁判所判断が出された日に合わせたことがポイントだ。当時はオバマ政権だったが、今年11月の大統領選で前政権との差をアピールしたいという思惑もあるだろう。

 さらに、香港国家安全維持法を中国が施行したことも大きい。同法は香港の「一国二制度」の約束を反故にしたばかりか、域外適用まで明文の規定がある。

 これについて、中国政府は「内政干渉するな」と言うが、域外適用は世界各国の主権を無視するにも等しい話であるので、中国の方から内政干渉してきたともいえる。これは、あまりに非常識で、中国の中華思想や拡張的覇権主義をはっきりと示すものだ。

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