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【日本の元気 山根一眞】毎年のように起こる豪雨被害 「RAIN1000」時代の災害対策は? (1/2ページ)

 7月13日、熊本県の人吉市、球磨村を訪ねてきた。大学の遠隔授業での報告が目的の一つだが、この日、雨があがるとの予報が出たので熊本に向かったのである。

 私がこれまで巨大災害の現場取材・調査を続けてきたのは、現場だからこそ得られる「教訓」が得られるからにほかならない。福井豪雨、岩手県岩泉町の台風10号、九州北部豪雨、西日本豪雨の岡山県・真備町、昨年の台風10号被災の各地…。だが今回は、レベルの違う大きな被害に、胸を張って語れる「教訓」は得られなかった。

 人吉市の南を流れる球磨川に架かる鉄橋、西瀬橋は、真ん中がすっぽりと抜け落ちたように流出していた。近所の住民は「橋に流木がドーン、ドーンと衝突する音は聞こえていたが、橋が落ちたことは気付かなかった」と話していた。数百トン以上と思われる巨大構築物が落下、流出しても気付かないほど雨と川の増水(による音)がすさまじかったからだろう。

 西瀬橋から1・5~3キロ東、球磨川沿い市街地の被害はことさら著しく、洪水の後片づけをする方々の多くの姿があった。私は、何の手伝いもできない後ろめたさから、取材・調査とはいえ声をかけることがはばかられた。

 14人が犠牲となった特別養護老人ホーム、千寿園がある球磨村は、被災範囲はそう大きくないものの東日本大震災で見てきた津波被災地と二重写しになった。洪水に見舞われた住宅は、爆弾で破壊されたような姿を残していた。住民の皆さんの恐怖は計り知れないものだったろう。

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