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【こんな社会をちょっと良くする話】ソーシャルディスタンス、医療にも応用が進む! 「いい選択」へそっと後押し「ナッジ理論」 (1/2ページ)

 新型コロナの感染を防ぐため、スーパーのレジ周りで床に「足跡」のような模様を見かける。客は意味を深く考えるでもなくその足跡の位置に立ち、自然と「ソーシャルディスタンス(社会的距離)」が実現する。こうした事例は行動経済学のナッジ理論に当てはまる。人の選択をより良く導く、ちょっとした工夫のことだ。医療、介護の現場にも応用が進む。

 ▽強制でなく

 「ナッジとは本来、肘でつつく、背中をちょっと押すといった意味です」と、医療・介護勤務環境改善ナッジ研究会会長の小池智子慶応大看護医療学部准教授は言う。

 「人はいつも合理的に、熟慮して行動するわけではない。頭で分かっていても行動変容につながらない。最適な選択へ、そっと後押しするのがナッジです」

 強制せず、知らず知らずに選ぶようにする。そのためには、人の行動の「癖」を利用する。人は利益より損失に反応し、将来より現在の問題を過大視する。人のためになるルールや社会規範には従いやすい…。

 例えば海外では、臓器提供の意思表示や妊婦のHIV検査について、「希望する」をチェックする方式から「希望しない」をチェックする方式に変更して希望者を増やした。「最初に示された選択肢に従いやすいというナッジ」の応用だ。

 減量には将来の高い目標より「今日7000歩歩く」。成功しやすい目標の方が続きやすい。

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