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「禁断の書」を持っていた北朝鮮女性、密告され処刑 (3/4ページ)

 40代女性のシンさんは、両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)などを行き来して商売をしていた今年1月、聖書に接した。お守りとして聖書が密かに売られているとの報道もあるが、彼女がいかにして聖書を手に入れたのかはわからない。

 (参考記事:持ってるだけで死刑の聖書、北朝鮮で「お守り」として人気

 彼女は聖書を、荷物に隠して自宅に持ち帰った。新型コロナウイルスによる不況で暇になったシンさんは、聖書のことを思い出し、取り出して読んでは見たものの、何のことだか全く理解できず、ダンボール箱に入れて倉庫にしまっておいた。

 今年3月、シンさんはいきなり保衛部(秘密警察)の家宅捜索を受け、逮捕された。密告があったのだ。

 逮捕の数日前、友人はシンさん宅を訪れた。金の無心にやって来たのだったが、断られてしまった。シンさんが、金の代わりにワカメを持たせようと倉庫に入ったところ、友人はダンボール箱の中にある聖書を発見して、保衛部に密告した。

 シンさんは取り調べで、新浦(シンポ)造船所など重要施設周辺の地形に関する資料を外国に送ったことを認めた。そして、敵国の書籍である聖書を国内に拡散させ、党に対する国民の信頼を貶め、社会主義を脅かす反党、反国家行為を行ったのみならず、スパイ行為まで行った容疑で、非公開で処刑された。

 (参考記事:北朝鮮の秘密警察に「ハンマーで処刑」された女性経営者の罪状

 事件のことを耳にした市民の間では、保衛部のやり方に疑問の声が上がっている。

デイリーNKジャパン

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