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「何でも買えるダークウェブ」は幻想 詐欺の温床化が進む (1/4ページ)

 想定していないトラブルが起きたとき、ひとつの物事や人物に原因を求められがちだ。だが、実際に起きている出来事は、もっと複雑なものであり、何かひとつに原因を求めるのは気休めにしかならない。ライターの森鷹久氏が、一見するだけでは不可解な事件が起きると「ダークウェブ」に端緒を見出したがる傾向についてレポートする。

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 今年6月、東京・八王子で男子高校生が自殺した事件。発生直後、事件記者たちに衝撃が走ったのは、男子高校生が拳銃を使って自殺した、という情報が駆け巡ったからであった。全国紙警視庁担当記者が当時のことを振り返る。

 「高校生が一般的な銃を持っているとは考えられず、最初は『3Dプリンター』を用いたり、水道管を使った手作り銃ではないか、との憶測も広がりました。その後、どうやら銃が本物らしい、ということになり、そうなればネットを使って高校生が購入したのではないかと、警察は実際に高校生の携帯電話などの解析を行いました」(全国紙警視庁担当記者)

 間も無く、銃がアメリカ製の本物で、実弾50発も見つかったことで空気は一変。彼が高校を休みがちだったことから、銃がいわゆる「ダークウェブ」など、パソコンやインターネットに詳しい人間しか知らない世界で秘密裏に購入されたものではないか? との憶測が、当局や記者の間に急速に拡がったのである。

 先に言っておくと、銃は元外務省のノンキャリア職員で、海外駐在歴もあった高校生の父親(故人)が日本国内に持ち込んだもの、という見方が今では強い。当局の捜査でも、高校生がダークウェブなどにアクセスした形跡は確認されていないという。それにしても、銃器犯罪について豊富なデータベースを持つ警察担当記者たちが、一時的とはいえ「ダークウェブ」由来の銃だという説にいっせいに傾いたのは、知識不足によるものではなかったか。

NEWSポストセブン

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