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【長谷川幸洋 ニュースの核心】米中“全面対決”に踏み出したトランプ大統領 習主席「国賓」招待話が消えず、動きの鈍い安倍政権は「米国との連携強化」を (2/2ページ)

 トランプ政権は8月から、中国の通信機器大手「華為技術(ファーウエイ)」や、監視カメラ大手「杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)」など中国企業5社の製品を使う企業に対して、外国籍であっても米政府との取引を禁止する制裁措置を発動する。「オマエが中国と付き合うなら、米国は絶交する」という話である。

 つまり、「米国をとるか、中国をとるか」という二者択一を迫っているのだ。同じ動きは5社に限らず、今後、中国企業全体に広がる可能性が高い。それを見越したように、欧州では急速にファーウエイ排除の動きが広がっている。

 日本はどうするのか。

 残念ながら、安倍晋三政権の動きは鈍い。習近平国家主席の「国賓」招待話が完全に消えていないのが、その証拠だ。沖縄県・尖閣諸島周辺海域には、中国公船が連日侵入しているのに、政権は具体的な行動を起こしていない。

 私は「中国につけこまれる」事態を心配する。「日本は決断できない。だったら、いまのうちに取り込もう」と甘言を弄する。あるいは逆に、尖閣奪取へ中国を一層大胆にさせてしまわないか。

 安倍政権が「中国を選ぶ」のはあり得ない。そうであれば、ここは具体的な行動によって、「米国との連携強化」を鮮明にする局面ではないか。優柔不断では、国民がやきもきするばかりだ。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。

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