記事詳細

【大前研一 大前研一のニュース時評】老練、独特、日本愛…台湾元総統・李登輝さんの思い出 (1/3ページ)

 先月30日に亡くなった李登輝さんが台湾の総統だった当時、私は台湾の経済顧問をしていた。思い出がありすぎて、短いコラムでは入りきれない。

 1972年の米国リチャード・ニクソン大統領(当時)の訪中をきっかけに、中国は国連安全保障理事会の常任理事国のメンバーになり、それまで常任理事国であった台湾を国連から追い出した。

 私は李登輝さんに対し、国連復帰より「あるがままの台湾」(台湾・アズ・サッチ)を提唱した。台湾をピカピカに磨き、世界中から尊敬されることを目指そうということ。実際、今回の新型コロナの対処でも台湾は世界から称賛されている。

 また、中国との関係についても、私は「コモンウェルス・オブ・チャイナ」、つまりシンガポールや香港など中国人の多い国や地域を集めて、英連邦のような緩やかな連合体の「中華連邦」を提唱した。

 台湾と中国の交流窓口機関が92年に会談したときも、これを踏まえてシナリオを作った。台湾工商協進会の辜振甫(コ・シンポ)理事長、中国・上海の汪道涵(オウ・ドウカン)元市長が参加したこの会議で、中国側はかたくなに「中国政府が台湾を含めた全中国を代表する唯一の合法的政府」という「1つの中国」を主張した。

関連ニュース