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「退廃的な踊り」を見とがめられた北朝鮮軍の兵士たちの運命 (2/3ページ)

 情報筋によると、取り調べで3人は「南朝鮮の踊りだとは知らなかった」「部隊内で教わった」と述べている。また、1人はこんな供述をした。

 「入隊前に『フンタン少年団』のダンスが流行していた、それを踊っただけだ」

 これは、BTSが2015年に出したアルバム「花様年華 pt.1」に収録された曲だ。そのファンはARMY(アーミー)と呼ばれるが、3人は兵士でもあり、BTSのファンでもあり、二重の意味でARMYだったというわけだ。

 3人の供述が本当だとすれば、北朝鮮の庶民の間ではもはや韓流が韓流として認識されないほどに普及している可能性すら考えられる。当局はBTSに限らず、韓流全体を禁止しているが、何が韓流かわからない状態ならば、気をつけようがない。

 (参考記事:北朝鮮がBTSファンを逮捕「重罪の可能性」

 3人の所属する部隊は大騒ぎとなり、関係者は困り果てている。いずれも服務態度、訓練において模範的であるとして「踏査」に選抜された兵士たちだったからだ。さらに悩ましいのが、事件が他の部隊の兵士たちの前で起きたため目撃者が大勢いる上に、総政治局と保衛局の幹部が問題視しているため、事件の処理結果を上部に報告しなければならない点だ。

 3人は「普段の群衆文化娯楽時間に踊ったときには何もなかったのに、なぜ今回だけ問題になるのか」と抗議しているという。群衆文化娯楽時間とは、今回の娯楽会と同じようなものだが、そこでBTSのダンスをしていたとなれば、部隊全体が厳しい批判の対象になりかねない。

デイリーNKジャパン

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