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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び》地道な修復作業続く…台風で23万点浸水のミュージアムの今 (1/2ページ)

 NHKニュースで、ご近所さんの消息を聞いた。昨年10月の台風19号で浸水した「川崎市市民ミュージアム」(川崎市中原区)が、修復作業を終えるめどが立たず、市は有識者でつくる部会で、移転も含めた今後のあり方を検討しているのだという。

 同館は私の自宅から歩いていける距離にある博物館と美術館の複合施設。子供が赤ちゃんのころはよく散歩に行ったし、昨年は企画展「なばたとしたかこびとづかんの世界」などに訪れたなじみの場所だ。台風の後、地下の収蔵庫が大変な被害を受けたと聞き、言葉を失った。

 それから同館は休館し、もうすぐ1年になる。市に聞くと、確かに修復には長い時間がかかりそうだ。

 収蔵する土器や民芸品、絵画、写真、漫画など約26万点のうち浸水被害を受けたのは約23万点。今は猛暑の中、カビや粉塵(ふんじん)から身を守る防護服を着用した職員らが地下駐車場で所蔵品を洗浄するなどの作業に当たっているという。すぐに処置が可能なもの以外はカビなどを防ぐために一旦冷凍。今後解凍、洗浄、害虫駆除や殺菌のために薬剤でいぶすなどの作業が続く。

 職員の方には心から同情するところではあるが、市民の財産を浸水させた市の責任は大きい。被害額は昨年秋の概算で約72億円以上。うち収蔵品に関しては、動産保険の対象としている約9万点の評価額約42億円に上る。修復費用も勘案すると被害の全体像はいまだ見えないという。

 多摩川に近いこの辺りは、多摩川が氾濫した場合に浸水が想定される地域だ。今回、増水した多摩川の水が排水管から逆流する「内水氾濫」が起き、同館の最寄り駅である武蔵小杉駅周辺など市内各所で浸水した。同館周辺でも、3本ある排水管のうち1本の流れが滞りあふれ出て、同館の地下に流れ込んだとみられる。