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日本の歩み寄りに期待するしかない?韓国・文政権 支持率は急落も好材料なし (1/2ページ)

 【ソウル=名村隆寛】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日の「光復節」の式典演説で、いわゆる徴用工問題について韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた2018年の判決を「尊重する」との従来の姿勢を改めて示した。立場を変えず、日本に対話を呼びかけ、日本側の妥協以外に解決法がないという韓国側の厳しい事情をさらけ出した形だ。

 徴用工問題をめぐっては、韓国最高裁から賠償を命じられた日本製鉄(旧新日鉄住金)が今月、韓国裁判所による同社の韓国内資産差し押さえ命令決定を差し止めるため即時抗告状を提出。裁判所による資産の売却命令が出れば現金化、原告への支払いに向かう。

 日本政府は「日韓請求権協定(1965年)で個人請求権の問題は解決済み」との立場で、現金化が実行されれば、日韓関係の破綻は避けられない。

 韓国側は日本資産が売却された場合の日本の“報復措置”を強く警戒している。文氏は演説で、対日政策について原則論を繰り返しつつも、政権発足以降、悪化の一途をたどる日韓関係を対話で改善させたいとの意図をにじませた。

 今回の問題は、文政権の韓国が日本との協定や合意をほごにしたことが発端だ。しかし、政権は問題解決の糸口を見つけられず、韓国国内の反発を招かないよう日本の歩み寄りに頼らざるを得ないという矛盾に陥っている。

 一方、文氏は演説で北朝鮮に対話や協力を呼びかけたものの南北関係は停滞したままだ。韓国は今月、大規模な水害に見舞われ復旧に苦闘している。収まっていた新型コロナウイルスの感染も再び拡大。不動産価格は高騰を続け、家が買えない若年層を中心に文政権の不動産政策を批判する声は連日高まっている。