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【ジュリア・ミント プーチンの国より愛を込めて】コロナ不況で苦しむ一家に「やりきれない」 (1/2ページ)

 ドブラヴィーチェル、親愛なる日本の皆さま!

 8月から故郷の町に戻っている私は、コロナ渦の影響を感じさせる話を母から聞きました。

 それは、私たち家族が顔なじみの市場の八百屋のご主人の問題でした。ご主人はサラクという名の40代ぐらいの礼儀正しいアゼルバイジャン人で、同郷の妻と一緒に店を切り盛りしていました。

 ソ連時代はそれなりに裕福であった中央アジアやカフカス(英語名コーカサス)諸国などの旧連邦国ですが、ソ連崩壊後は旧連邦国内にあった国営企業が閉鎖されたために、多くの人々が新しく生まれ変わった独立国で職を失うという事態に見舞われました。

 その国のひとつがアゼルバイジャンであり、彼ら市民の中には職を求めてロシアに移住してきた人もかなりいて、サラクはそのような境遇のアゼルバイジャン人のひとりでした。

 そして、妻子を養いながらしっかりとロシアに根を張ったサラクは、近所のスーパーマーケットチェーンよりも新鮮だと評判の商品と消費者目線の価格を売りに商売を続けてきました。

 しかし、1カ月ほど前にサラクの店と別のアゼルバイジャン人経営の八百屋が対立を起こし、市場中が騒々しいけんかの目撃者になりました。このコロナ不況下で市場に2つの八百屋はいらないとばかりに別のアゼルバイジャン人経営の八百屋がサラクの店で売っているのと同じ商品の価格を大幅に下げ、彼の店を潰しにかかってきたのです。