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【日本の元気 山根一眞】商船三井のモーリシャス重油汚染 環境破壊に対する感覚が喪失した日本 (1/3ページ)

 7月25日、インド洋にある島嶼(とうしょ)国、モーリシャス共和国のモーリシャス島の海岸近くで、商船三井が傭船した大型ばら積み船「WAKASHIO」が座礁した。全長約300メートル、全幅50メートル。サッカーコートを縦に3つつなげたサイズの大型貨物船だ。

 搭載燃料はC重油約3800トンと軽油200トンだが、離礁作業は悪天候で思うように進まなかった。そして8月6日、機関室右舷側の燃料タンクに亀裂が生じ、破損タンク内の1180トンのC重油のうち1000トンが流出。海上と海岸で460トンが手作業で回収されたが(商船三井発表)、500トン以上がモーリシャスの海と海岸をどす黒い油まみれにしてしまった。

 船内のC重油のうち1020トンは11日早朝までに小型タンカーへ抜き取り回収したが、亀裂は拡大のおそれがあり、プラビン・ジャグナット首相は「船体が真っ二つになれば、さらなる汚染拡大で生態系に重大な影響が及ぶ」と危惧を表明。モーリシャスが「インド洋の貴婦人」と呼ばれるのは世界屈指のサンゴ礁を擁する美しい海ゆえだが、日本はその貴婦人を重油まみれにしてしまった。

 私は1997年、ナホトカ号から流出した福井県沿岸の重油汚染現場を何度も取材、手に負えないC重油に大きな絶望感を味わっただけに、モーリシャスの重油汚染は日本人として憤りとともに大きな胸の痛みを覚えている。

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