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【長谷川幸洋 ニュースの核心】立憲民主党との合流めぐり分裂…新・国民民主党は「保守現実主義」を貫け! 改革路線をリードする役割を期待 (2/2ページ)

 政党助成法の下では、いったん解党したうえ、2つの新党を作れば、政党交付金は議員数に応じて分配される仕組みになっている。玉木氏は移籍議員に「手切れ金」を渡して、激突を避け、円満解決を演出した形だ。

 話のホンネが、近い将来の総選挙を見据えた「票とカネ」なので、合流した後の党の理念や政策は、2の次、3の次にされた。その証拠に、憲法や安全保障、経済政策など基本問題をめぐって、これまでの協議でどんな議論があったのか、ほとんど聞こえてこない。

 これから、どんな理念や政策を打ち出すにせよ、この合流話で政治理念を疑われるのは、立憲民主党側より国民民主党からの移籍組だろう。彼らは本来、教条的左派と一線を画すはずだったが、結局は立憲民主党の左派路線に引き寄せられた。

 立憲民主党は、国民民主党だけでなく、社民党にも合流を呼び掛けていた。これで立憲民主党生え抜き派は、ますます自信を深め、左傾化を強めるのではないか。

 逆に、再結集する国民民主党にとっては、政治路線がすっきりする点が最大のメリットだ。与党から見ても、数は少なくとも、野党に現実的な保守勢力がいるのは心強い。

 例えば、憲法改正問題で新しい国民民主党が賛成に回れば、国会発議に必要な衆参両院で3分の2の議席を確保できる可能性が高まる。

 新・国民民主党には、ぜひ「保守勢力の内側」で改革路線をリードする役割を期待したい。与党入りしていただいても、結構だ。同じような立場の日本維新の会にも、スリムになった国民民主党はいい刺激材料になるだろう。そうなれば、停滞気味の日本の政治も大いに活気を取り戻すはずだ。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。

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