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介護施設や保育園の全職員にPCR検査「世田谷モデル」に賛否 「区単位の検査で結果出せるのか」 (1/2ページ)

 新型コロナウイルスのPCR検査をめぐり、東京都世田谷区の「世田谷モデル」が波紋を広げている。介護施設や保育園の全職員らを対象にした検査を行う方針だが、専門家からは「区単位の検査で結果を出せるのか」と疑問の声もある。

 対象となるのは、介護事業所で働く職員と保育園・幼稚園の職員、特養などの施設入所予定者で計約2万3000人。区は関連費用4億1400万円を盛り込んだ補正予算案を9月議会に提出する方針。このほか、感染者の濃厚接触者や症状がある人への従来型の検査数を1日約300件から600件に拡充する。

 区の発表について東京医療保健大の菅原えりさ教授(感染制御学)は「高齢者施設は利用者が感染した場合に重症化するリスクも高く、全職員への検査は有用性があると思うが、定期的な実施が必要だ。一方で、保育園職員への検査は、今のところ子供が重症化する例は少なく、優先順位としては低いのではないか」と指摘する。

 保坂展人区長は「いつでも、どこでも、何度でも」とPCR検査の大幅拡充を掲げており、今回の検査方針はその一環。

 西武学園医学技術専門学校東京校校長で医学博士の中原英臣氏は「区長の責任のもと行うことを批判する気はないが、当然世田谷区民もほかの自治体を移動しながら生活する。世田谷区のみ社会的検査を実施することで感染者を抑えられたり、区民の安心につながるのか」と疑問を呈する。

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