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PCR検査体制「世田谷モデル」に物申す! 「誰でも、いつでも、何度でも」…費用対効果期待できず感染リスクも 村中璃子氏が緊急寄稿 (3/3ページ)

 それにしても日本という国は、なぜPCR検査の話だけでこのように何カ月も盛り上がることができるのだろう。それはわが国が、新型コロナによって「命の選択」と呼ばれるような医療崩壊を経験することなく、国民皆保険のもと「誰でも、いつでも、何度でも」安価に高度の医療を受けられる状態が、緊急事態宣言下ですら継続できたという幸運のたまものであろう。

 いま日本が向かうべきは、幸運に乗じて限りある医療資源と医療予算を浪費することではない。PCR検査体制を充実させつつも、よりそれを戦略的に使う方法を見極めることだ。

 ■村中璃子(むらなか・りこ) 医師、ジャーナリスト。現在、京都大学医学研究科非常勤講師、ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所研究員。世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局で、鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ対策に携わった経験を持つ。科学誌『ネイチャー』ほか主催のジョン・マドックス賞受賞。今月18日に『新型コロナから見えた日本の弱点 国防としての感染症』(光文社新書)を出版した。

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