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【富坂聰 真・人民日報】「戦狼外交」視点で見落とす現実 高められた人民解放軍のグリップ (1/2ページ)

 以前にも触れたが中国の対外姿勢を表現して頻出する言葉に「戦狼外交」がある。要するに中国の対外強硬姿勢-特にコロナ後に変化-を評した言葉でメディアが重宝しているのだが、意図はよく分からない。

 単純な疑問として浮かぶのは、中国がいつ対外融和的であって、またいつ切り替わったのか、ということだ。

 南シナ海でも東シナ海でも大人しかったためしはなく、ずっと主張のままに行動していた。オーストラリアへの貿易を通じた嫌がらせも意外ではない。むしろ対フィリピンや対韓国、対カナダで実績を積んだ得意技だ。

 中国外務省の趙立堅報道官の新型コロナウイルスの「米軍から感染が……」というツイートも「賠償しろ」「中国をサプライチェーンから外せ」と責められ続けたなか、米疾病対策センター(CDC)が昨年死亡したなかに新型肺炎患者がいたことを認めたことを受けて「やーい、お前だってー」とやったに過ぎない。

 ましてや香港・台湾問題で外国が口を出せばインスタントに強烈な拒絶反応が引き起こされる。これは自動販売機でボタンを押せば商品が出てくるほど自然な現象だ。

 何が言いたいのかといえば、「戦狼外交」とちょっと上手い言葉に悦に入っていると大事な現実を見落とすということだ。

 しかも前述したように「戦狼外交」なんて現実はないのだから尚更だ。

 今回、指摘しておきたいのは、中国のガバナンスの話だ。どうやら習近平の中国は、人民解放軍のグリップを確実に高めているようなのだ。

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