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【東日本大震災から9年半 忘れない、立ち止まらない】阪神大震災の語り継ぎと遺族の交流に尽力 神戸市NPO「HANDS」初代理事長・白木利周さん (1/2ページ)

 4月下旬、神戸市のNPO法人「阪神淡路大震災1・17希望の灯り」(略称・HANDS)の初代理事長、白木利周(としひろ)さんの訃報が飛び込んできた。享年78。

 1995年の阪神淡路大震災で当時21歳だった長男を失い、慰霊碑などを訪ねて体験者の話を聞く「震災モニュメントウォーク」運営などに尽力した方だ。

 HANDSは東日本大震災直後、岩手県陸前高田市を中心に、物資を届ける支援などを展開した。そこから被災住民との交流を深め、神戸市の東遊園地にある「1・17希望の灯り」の分灯にも関わられた。その火は今も、陸前高田の海を見晴らす場所で静かに燃え続けている。

 だから同市には、「白木さんにお世話になった」という人が多い。東海新報のコラムで訃報を伝えたところ、読者の一人からは悼む声が寄せられた。

 「あの時はどん底だったけど、神戸での体験を聞かせていただき、立ち上がることができました」「何度も来てもらい、皆の支えになってくれた」

 手紙には白木さんへの感謝がつづられていた。

 ぶっきらぼうだけど気さくで、細かいところによく気がついて…。白木さんのありし日の姿を思い出すうち、阪神淡路の発生から20年となる2015年1月に私が神戸を訪れた際、偶然再会した記憶がよみがえった。

 白木さんは、私を見るなり「東海新報っ、来たのか!」と喜んでくれた。

 「しっかり取材して、東北で伝えてくれよ」。そう言って強く背中をたたかれた。笑顔だが、真剣な目だった。期待と責任-大変なものを任されたのだと分かった。

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