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【日本の元気 山根一眞】次期首相は“環業革命”目指せ 環境を機軸にした産業革命も「人の手によって興す」ことができるはず (1/3ページ)

 再来週、新しい自民党総裁=総理大臣が決まる。権力のトップを目指すレースでは、国民が未来に希望を抱くことができるビジョンや政策の競い合いであるべきだが、各派閥の新内閣での席取り策略で決まる公算が大だ。これでは、若い世代はまたしばらく希望のない日々を過ごさねばならなくなる。それはつまり、国力の衰退を意味する。

 米国の大統領選も口汚い中傷合戦で終始しているが、かつての米国の指導者は、国民が未来に希望を抱くことができる型破りな「ナショナルゴール」を提示していた。よく知られているのは、ジョン・F・ケネディ第35代大統領による「1960年代末までに人類を月に」というアポロ計画だ。このミッションで育ったハイテク企業が後の米国の科学技術力にもたらした貢献ははかり知れず大きい。

 第37代のリチャード・ニクソン大統領が、ケネディに負けじと出したナショナルゴールは、「70年代末までのがん撲滅」だった。私は当時、全米のがん研究所や脳研究の拠点を訪ねる取材旅行を数度行っているが、「いきなり3億円の予算が届き、使いきれませんでしたよ」という話をあちこちで聞いた。ニクソン大統領は大スキャンダルで失脚したが、がん撲滅というナショナルゴールによって数多くのライフサイエンス企業が育ち、この分野での現在の米国の優位性につながっている。

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