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【長谷川幸洋 ニュースの核心】石破氏と岸田氏はなぜ勝てないのか 石破氏は、言行不一致で中身が怪しい 岸田氏は、とにかく話がつまらない (2/2ページ)

 岸田氏はどうか。

 人柄の良さはテレビでも伝わってくる。だが、とにかく話がつまらない。私は岸田氏の地元、広島市での講演で「役人の話をオウム返しに言っているだけだから、つまらないのだ」と話したら、岸田氏の後援会長が「それは私が長年、本人に言い続けてきたことだ」と認めていた。

 指摘され続けてきた「発信力のなさ」は結局、官僚依存で自分自身の言葉を持ち合わせていない点に行き着く。

 経済政策では、金融緩和と財政出動について、「財政健全化、あるいは金利についてもしっかり考えていく」と出馬会見で語っている。これは財務省路線そのものだ。

 外交面では、「ソフトパワー外交を進めたい」という。ソフトパワーとは、民主主義の価値や文化の魅力などを重視する考え方だ。だが、あくまで軍事、経済のハードパワーがあっての話である。中国が日本のソフトパワーに魅了されて、沖縄県・尖閣諸島への野心を捨てるわけもない。

 要するに、これまたもっともらしいが、きれい事にすぎる。目前の危機や脅威に対する現実的判断と決断力に欠ける、と言わざるを得ない。

 野党に目を向ければ、立憲民主党と国民民主党の一部が合流し、新しい野党が誕生する。こちらは政策二の次で、選挙をにらんだ打算の産物だ。とても政権は狙えない。

 こうして見ると、菅政権を脅かす存在が見当たらない。菅首相は総裁任期が切れる来年9月以降も、本格政権に化けて続くのではないか。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。

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