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【高橋洋一 日本の解き方】尖閣諸島の漁船衝突から10年 国益を損ねた船長の釈放指示…最悪だった民主党政権の対応 (1/2ページ)

 沖縄県・尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した事件から10年が経過した。民主党政権の菅直人元首相が、釈放を指示したと前原誠司元外相が証言し、菅氏はこれを否定したが、この10年で中国側の尖閣に対する姿勢と日本側の対策はどう変わっているのか。

 事件の経過を整理しておこう。2010年9月7日に中国漁船が衝突し、船長らが逮捕された。すると中国側が抗議、即時釈放を要求し、13日に船長以外の船員が帰国。

 さらに中国が報復措置に出ると、24日に那覇地方検察庁は「わが国国民への影響や、今後の日中関係を考慮して、船長を処分保留で釈放する」と発表。仙谷由人官房長官はこれを了解した。菅首相と前原外相は国連総会出席で不在だった。

 事件当時の政治背景としては、7月11日に参院選があり、参院で与野党が逆転し民主党・国民新党は少数与党となり、ねじれ国会となっている。

 9月1日には民主党代表選が告示され、14日に投開票が行われ、17日には菅政権の内閣改造もあった。前原氏は事件発生当時、海上保安庁を所管する国土交通相だったが、この改造で外相になっていた。

 冒頭の前原氏の証言は、同21日に首相公邸で外務省官僚とともに出席した勉強会での菅元首相の発言に関するもので、11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に中国の胡錦涛国家主席が参加できるようにという目的だった。菅氏は否定しているが、外務省幹部は指示があったことを認めている。

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