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【富坂聰 真・人民日報】豪・印で分かれる中国の反応 オーストラリアには強硬、インドには抑制的なワケ (2/2ページ)

 これに対してオーストラリアとの問題では、外交部の報道官がほぼ毎日激しい言葉で非難をするほどになっている。

 やはり10日の会見では、オーストラリアの情報機関が今年6月、新華社通信豪州支局などに抜き打ち検査をし記者4人のパソコンや携帯電話などを押収していった問題を取り上げた。報道官は、「(この問題では)いまだに合理的な説明もなく、押収物の返還もない」と語った後に、「彼らが普段から言っている言論の自由はいかに欺瞞か」と非難した。

 この問題をスクープした『環球時報』は、昨年6月にオーストラリアの警察が、軍による戦争犯罪の疑いや政府当局の市民監視の疑いを報じた公共放送ABCのシドニー本社を家宅捜索したことに触れ、報道の自由の建前をからかった。

 2つの国への対応の違いは地政学的な視点を除けば、インドの怒りは分かりやすいのに対し、オーストラリアの動きはアメリカの手先と中国の目に映ることがある。

 ■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。

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