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オレゴン未曽有の森林火災が「新・南北戦争」に飛び火する (2/3ページ)

 デモの現場では、警官が黒人に暴行したり発砲したりする事件も多発している。捜査の結果、警察の主張が否定され、違法に黒人を虐待したとされる事例も相次いだ。しかし、右派を支持する白人グループなどは不満を募らせている。暴動を起こす人たちのなかには、黒人などマイノリティも多くいる。暴徒を警察が力で制しただけだという言い分である。このままでは、人種差別がなくなるどころか、白人とマイノリティの対立はますます激化しかねない。最悪の場合、市民同士の市街戦が起きる危険も高まっている。

 このタイミングで大統領選挙が行われることは不幸でしかない。右派、左派のリーダーたちが、融和をうながすどころか、むしろ対立を先鋭化させているからである。

 共和党とトランプ大統領は「法と秩序」を強調し、全米で起きている暴動には強く対処し、厳罰に処するべきだと訴える。デモに参加している人たちを「社会主義者、共産主義者」などと批判し、「無政府主義者」とさえ呼んでいるのである。特に、自ら社会主義者だと公言する民主党のバーニー・サンダース氏と、その支持者である若者たちを標的とし、その支援を受けて大統領選挙を戦っているバイデン氏を排斥しようと狙っている。日本の読者のために補足すると、アメリカで「社会主義」「共産主義」という言葉は、東西冷戦が終わって30年経つ現在でも、「敵の思想」「忌み嫌うべき間違った考え」というイメージを持つ国民が圧倒的に多い。アメリカが国是としてきた「自由主義」や「民主主義」の対義語のように使われることが多いのである。サンダース氏が社会主義者を自称したのは、少なくとも選挙のためには勇み足だったと言わざるを得ない。

NEWSポストセブン

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