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【高橋洋一 日本の解き方】菅氏と財務省とせめぎ合い続く 消費税に頼る日本のいびつな社会保障制度 (1/2ページ)

 菅義偉新首相をめぐっては、消費税に関する発言が注目されている。

 自民党総裁選中の10日放送のテレビ番組で、「将来的なことを考えたら行政改革を徹底した上で、国民の皆さんにお願いして消費税は引き上げざるを得ない」と述べた。一方、11日の記者会見では「安倍晋三首相はかつて、今後10年くらいは上げる必要はないと発言した。私の考えも同じだ」と述べた。

 このやりとりの前に伏線があった。9日に行われた岸田文雄氏と石破茂氏を交えた討論会で、菅氏は「経済成長なくして財政再建なし」と言った。これは経済主義といわれており、財務省の「財政再建なくして経済成長なし」という財政再建至上主義とは対極の考え方である。ちなみに安倍政権は経済主義を取り入れ、財務省は忌み嫌っていた。

 財務省が経済主義を否定するときには、人口減少と消費税を結びつけるレトリックを用いるが、菅氏の10日の発言はそれとそっくりだった。ということは、菅氏が前日に経済主義に言及したので、財務省があわてて巻き返したとの見方もできる。

 実はそれ以前から、さや当てはあった。経団連の中西宏明会長は7日に開いた記者会見で「財政健全化へのステップをもう一回しっかりしてもらいたい」と述べた。

 これは、新型コロナウイルス対策の必要から、政府の歳出が膨張し、債務残高が増大したことを理由とするものだ。この発言について、主要なマスコミは肯定的に取り上げている。

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