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北のスパイ捜査権、情報機関から取り上げ 文政権で進む権力機構再編 (2/2ページ)

 朴智元(パク・チウォン)国情院長は、会議後の記者会見で「国情院はいかなる場合も国内政治に絶対に関与できないよう法律で明確にする」とし、「暗い歴史をこれ以上、繰り返さない」と述べた。

 暗い歴史とは、前身の中央情報部や国家安全企画部時代から情報機関が政権の意をくみ、民主化運動を弾圧してきた過去を指す。1980年代の学生運動経験者が多い現政権幹部にはそのイメージが一層強い。共産主義活動への捜査名目で活動家らの拘束が度々行われてきたことから、捜査権という武器を情報機関から取り上げる形だ。

 一方で、北朝鮮から韓国に亡命した要人らの暗殺を企てた北朝鮮工作員らを、情報力を駆使して摘発してきたのも情報機関だ。韓国紙、東亜日報は社説で「対北情報収集機能と捜査権が切り離されることで、対共(スパイ)捜査が骨抜きになるほかない」と捜査力の低下に懸念を示した。

 文氏は、徐薫(ソ・フン)前国情院長を特使の一人として北朝鮮に派遣するなど、対北対話のために国情院を動員してきた。2000年の初の南北首脳会談の事前交渉を担った朴氏を院長に登用したことからも国情院の改編の背景に対北融和へのシフトがあることは明らかだ。情報機関が政権の意向で翻弄させられ続けることを危惧する声も少なくない。(産経新聞)