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【勝負師たちの系譜】越えられない壁 女流棋界、挑戦者の敵は“タイトルという重み” (1/2ページ)

 スポーツ界も含め、勝負の世界ではほとんどの人が、越えられない壁を持っているかと思う。

 それが具体的な記録や目標があれば、自分の努力で克服できる可能性は高い。将棋の世界で言えば、どうしてもタイトルや順位戦のA級まで届かない、と言ったことなどだ。

 しかしその壁が、ライバルの棋士だったりすると、相手も精進して行くだけに、越えるのは難しいことが多い。現在の女流棋界が、まさにそれではないだろうか。

 今回、ヒューリック杯清麗戦に挑戦者として里見香奈清麗(四冠)に挑んだ、上田初美女流四段もその一人かも知れない。

 マイナビ女子オープンの「女王」に2期、就いたことがある上田にしても、現在の里見、西山朋佳女流三冠の壁はまだ崩せていない。過去2人はタイトル戦で3度戦っており、女流名人戦では2度もフルセットまで行きながら、上田は最終局で涙をのんだ。

 清麗戦は一番新しくできた女流タイトル戦で、優勝賞金700万円は、女流棋戦最高額。上田は決勝で伊藤沙恵女流三段を破っての挑戦だった。

 この伊藤も、常に挑戦者になるほどの実力者だが、いまだに2人の壁を破れない1人である。

 今回の五番勝負は、里見が最初の2局を里見らしい捌きで勝利し、防衛確実かと思わせたが、第3局で上田が終盤にしぶとい粘りを見せて逆転勝ちすると、次局は快勝してフルセットに。

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