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【高橋洋一 日本の解き方】「デジタル庁」は成功するのか? 国会でも給付金でも時代錯誤、まず手書きをやめることから (2/2ページ)

 ところが、役所では、学生時代にノートをきちんととって優秀な成績で公務員試験に合格した人が圧倒的に多い。そういう人たちにとって、手書きノートは何より安心なものだ。役所でも部内文書がワープロなどでデジタル化されても、会議ではプリントアウトされ、それを各人がファイルし、そこに手書きでメモ書きする人が多かった。そういう人たちは、データがデジタル化されていないので、資料が詰まったファイルをいつも持ち歩く。ただし、持ち歩く資料量に限界があるので、その生産性は低い。

 筆者のスマホのみという行動スタイルが通用しない場所もある。かつての役所はそうだった。手のひらPCに入っている資料を見せようとすると、プリントアウトしろと言われた。今はどうだろうか、各人にPCが配布されている時代なので、プリントアウトしろとは言われないだろう。

 しかし、国会ではいまだに議場へのPC持ち込みが許されていない。以前、携帯電話に答弁をメールし、それに基づき答弁した役人が注意を受けた。国会での答弁はすべてプリントアウトされ、それを読むという、時代錯誤なことをやっている。

 こんな調子なので、霞が関役人の多くはデジタル化のメリットも分からず、それを行おうともしなかったのだろう。

 先般の特別定額給付金でも、地方自治体から国民へ申請書を送付し、国民が返送すると、自治体でプリントアウトしてチェックするという、デジタル化と真逆のことを平気でやった。これは非デジタルに甘んじている役人ばかりだからだろう。

 デジタル化を成功させるためには、単純だが手書きをやめることから始めればいい。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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