記事詳細

生前に契約、遺言とセットで広がる死後の後始末「死後事務委任契約」

 葬儀の手配や電気・水道の解約、年金の受給資格抹消…。死後に必要な手続きを生前、親しい知人らに依頼しておく「死後事務委任契約」の利用が広がっている。高齢化や少子化が進み、周囲に頼れる人がいないまま亡くなるケースが後を絶たないためだ。日本公証人連合会(日公連)によると、遺言では財産の継承以外の諸手続きについて記載しても法的拘束力がないため、死後事務委任契約とセットで公正証書を作成する人が多い。

 自分が死亡した後の事務は家族や親族に任せるのが一般的だ。一方、身寄りがない高齢の夫婦や、遠隔地に住む親戚に頼めない人は知人や友人のほか、弁護士や司法書士、行政書士といった専門家と委任契約を結ぶ選択肢がある。依頼内容はさまざまで、ペットの引き渡しやパソコンに保存された情報の消去などもあるという。

 依頼先への報酬は、あらかじめ手続きごとに決め、葬儀費用や病院代の実費と合わせて依頼先に預託しておく例が多い。契約書の内容を公証役場で公正証書にすれば、自分の意思をより確実に実現することができる。

 日公連によると、遺言公正証書の2019年の作成件数は約11万3000件で、10年前より約3万5000件増加。死後事務委任契約のデータはないものの、遺言と比例して増えているとみられる。

関連ニュース