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WTO事務局長選 韓国の候補残る 日本政府に警戒感広がる (1/2ページ)

 【ロンドン=板東和正】世界貿易機関(WTO・本部ジュネーブ)は8日、空席となっている事務局長の選出作業で、5候補を2候補に絞り込んだと発表した。韓国産業通商資源省の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長ら2人の女性候補が残り、次の選出作業に進んだ。昨年7月に日本による輸出管理厳格化措置が発動されて以来、日本を批判してきた兪氏が選出される可能性が高まり、日本政府内で警戒感が広がっている。

 事務局長選は、8月末に退任したアゼベド前事務局長の後任を選ぶ。

 WTOは9月7日、事務局長の選出手続きを開始した。手続きは計3回に分けて実施され、同月16日までに行われた第1ラウンドで男女5人の候補に絞り込まれた。同月24日から10月6日にかけて実施された今回の第2ラウンドで、兪氏とナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相の女性候補2人が残った。

 次期事務局長の選出は原則、投票という形はとらず、加盟国の全会一致が慣例だ。そのため、WTOは選出作業で、加盟国と500近くの非公開の協議を実施するといわれる。WTOは今年11月上旬までに次期事務局長の選出を目指すが、米中対立激化で決着が来年までずれ込む可能性もある。

 兪氏は昨年7月に日本による輸出管理厳格化措置が発動されて以来、対応に関与しており、「WTOなどの国際規範に合致しない」と日本を批判し、措置撤回を要求。韓国政府は今年6月、輸出管理厳格化を「不当」とし、WTOでの紛争解決手続きを再開した。