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【八木秀次 突破する日本】ペーパーレスは序章に過ぎない!? 「デジタル化」が引き起こす恐るべき社会変革 (1/2ページ)

 菅義偉政権の誕生は、時代の要請によると言ってよい。新型コロナ禍で明らかになった諸課題を解決するためだ。その代表的課題が「デジタル化」だ。ただ、この政権はそれを一般に思われている以上に加速化させ、この国や社会を今とはまるで別物にしてしまう可能性がある。

 「デジタル化」は現在のところ行政事務での押印の廃止が注目されているが、これで終わるはずがない。私の関わる政府の会議は、菅政権発足後すぐにペーパーレスになった。書類の郵送が廃止され、データの送信となった。これは序章に過ぎない。

 大学の話をしておこう。コロナ禍で大学の授業はオンライン形式となった。さまざまな形態があるが、代表的なのはパワーポイント資料にナレーションを付けるかたちだ。各教員が手作りで対応した。

 感染者数が落ち着いた後期(2学期)以降は、文科省が大学の教室での対面授業を求めているが、ゼミや実習、実験は対面授業を行うものの、大教室での講義は引き続きオンライン授業にしている。コロナが収束してもこの形は変わらない。オンライン授業の効用がわかったからだ。大教室での授業はなくなる。

 すると大学は教室が要らなくなる。すでに都心部の大学は不動産の売却を始めた。日常的に大学に通う学生の数も激減する。周辺の商店は経営が成り立たなくなる。企業がテレワークになったことで大規模なオフィスが不要になり、会社帰りの人たちを顧客にしていた飲食店の経営が成り立たなくなるのと同じことだ。大企業のオフィスの契約更新時期は2年後に集中している。街の姿が変わる可能性は高い。

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