記事詳細

【八木秀次 突破する日本】「デジタル化」が直撃する新聞・テレビ業界 メディア関係者は人ごとと思わない方がよい (1/2ページ)

 菅義偉政権は、安倍晋三前政権のように大きなテーマを掲げない。そのため、どこに向かっているのかが分かりにくい。

 例えば「デジタル化」だ。行政事務での押印廃止が注目されているが、当然、そこに止まるものではない。マスメディアも無関係でなく、人ごとと思わない方がよい。

 まずは新聞だ。役所のペーパーレス化が一気に進んでいることは、連載第3回で述べた。ペーパーレス化は新聞にも及ぶ。新聞社の主な収益源はいまだ紙の新聞の購読料と、それへの広告収入だ。それでなくても紙の新聞は購読者が年々減っている。広告収入も減る。社員をリストラした会社も多い。そこに政府が「デジタル化」を呼び掛け始めた。デジタル化は一気に進む。

 紙からデジタルに移行して収益を出している新聞社は、ごく一部を除いてない。「ゆで蛙」の例で言えば、長くぬるま湯に浸かっていたが、部数減で汗をかくほどに温度は上がっている。そこに政府が火力を強めて一気に過熱し始めたことを意味する。デジタルへの移行とそこでの収益の出し方を早急に構想しなければ、新聞に未来はない。

 次はテレビだ。菅政権は携帯電話料金の値下げを打ち出した。携帯電話会社は値下げに応じ始めたが、公共の財産である電波を寡占的にしかも格安な値段で使用し、利益を出していたからだ。構造はテレビ局も同じだ。微々たる電波使用料で莫大(ばくだい)な利益を出し、社員の待遇も突き抜けていた。しかも、政権批判でうるさい。

関連ニュース