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裏社会ジャーニー(18)~懲役太郎~ 「現役じゃないから語れる」ヤクザの世界 (2/2ページ)

 私が気になったのはお金の運び方である。すべてを晒すことは申し訳ないので、一部を紹介すると札束を文庫のように見立てて縦に並べて持ち込むのだそうだ。

「お金をお金だと思わずに紙の束だと思えばいいんですよ」

 これには目からウロコだった。確かにそうやって持ち込んで手荷物検査の際にX線を通したとしてもなかなかわからないだろう。

 さすがにテロ対策もあいまって厳しくなった昨今はともかく、懲役さんが実行したとする十数年前まではやれた方法だと思う。

 これに加えて懲役さんの驚きの知識を動画ではいくつも紹介している。たとえば、持ち運べる現金の上限について聞いたのだが、「8000万」とのことだった。面白かったのは、上限の理由は手続き的なものではなく「重量」的な意味であることだった。

 こうしたユーモアを重ねて話してくれる懲役太郎さんのトークは秀逸で馴染み深いものなのだが、もちろんそれだけではない。

 銃で撃たれたときの痛みは熱いとか、組事務所には切れない錆びたナタを用意しておくなど、バイオレンスがほとばしっているようなものも多い。このあたり、単なるトーク上手なYouTuberとは一線を画する。

 このほかにも懲役太郎さんのヤクザへのリクルート事情、「少年ヤクザ」とはなんなのかなども紹介している。どれも一見の価値あり。単なるYou Tubeのコンテンツとしてだけではなく社会勉強として見ていただけたらと思う。

ヤクザ時代に度肝抜かれたエピソード集【人気VTuber懲役太郎】

 ■丸山ゴンザレス(まるやま・ごんざれす) 自称「考古学者崩れ」のジャーナリスト。海外の危険地帯から裏社会まで体当たり取材を繰り返す。『世界の危険思想 悪い奴らの頭の中』(光文社新書)『世界の混沌を歩く ダークツーリスト』(講談社)など著書多数。

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