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【大前研一 大前研一のニュース時評】博士課程の学生数減少 将来のキャリアが不透明 日本は「社会人の進学支援が必要」 (2/2ページ)

 しかし、日本はそういう環境にはなっていない。私も東京工業大学の大学院原子核工学科の修士号を取得後、ドクター・コース(博士課程)に進んだが、やはりMITの魅力には勝てなかった。研究環境、金銭的な問題、これがまるで違った。だから東工大には戻ってくるという約束をして渋々送り出してもらった。帰る段になって安保闘争で学園封鎖となり、結局、帰国後は日本で就職した。

 ま、現在の米国は、外国人に対して厳しくなってきているが、それでもやはり、研究をしていく環境は大違いだ。

 日本の場合、生活の不安がなくなるという意味でも、ここは社会人となってからのドクター・コース進学の割合を増やすしかない。

 企業の支援を受けてドクター・コースに派遣され、その企業が行っているテーマを大学に持ち帰って、徹底的に研究する。そして、博士号を取得させる。このほうがいまの日本では理にかなっていると思う。こういうやり方を定着させたほうがいいのではないか。

 次のドクターを生み出すことについて、大学の先生が必ずしも優れた指導能力、研究能力を持っているとはかぎらない。ノーベル賞を受賞するような人は別なのだろうが。

 待遇の改善に関しても、私にはクエスチョンマークだ。ここにおカネをポーンと投げ込んでみても、砂地に水をまいているようなものだと思う。

 ■ビジネス・ブレークスルー(BBTch)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

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