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地元民を苦しめる北朝鮮「赤い観光」ビジネスの本末転倒 (1/2ページ)

 中国共産党が胡錦濤政権下の2004年に提唱した「紅色旅游」。1921年に中国共産党第一次全国代表大会が行われた上海の一大会址、1934年から1936年にかけて国民党軍と闘いながら1万キロ以上を移動した「長征」のルートなど、全国で249の革命にまつわるスポットをリストアップして宣伝するという、共産党プロパガンダと観光振興を兼ねたもので、英語ではレッドツーリズムと言われる。

 実際に行ってみると、周囲には土産物屋、食堂、宿泊施設、さらには共産党とは全く関係のない謎のテーマパークなどが立ち並んでいるとされ、観光振興で地元経済を発展させる目論見が強いことが見て取れる。

 レッドツーリズムでは、北朝鮮も負けてはいない。平壌を訪れた外国人観光客がかならず訪れる「万景台故郷の家」と呼ばれる金日成主席の生家、巨大な銅像がそびえ立つ万寿台など、コース全体が「共産主義テーマパーク」観光と言えよう。

 (参考記事:北朝鮮バス死傷事故、犠牲者は「共産主義の聖地巡礼」ツアー客

 国内観光客は、金日成主席の抗日パルチザン活動の足跡をめぐる聖地巡礼「踏査」(タプサ)を行う。北朝鮮は、内部結束を高めるために思想教養事業に注力しているが、その一環として踏査のルート整備にも力を入れている。

 (参考記事:北朝鮮ツアー、実は近くて普通に行ける北朝鮮旅行

 慈江道(チャガンド)のデイリーNK内部情報筋によると、道党(朝鮮労働党慈江道委員会)は、党創建75周年(今月10日)に向けて、地域の道路標識を設置し直す作業を行った。

 今回の事業の背景について、情報筋は次のように語った。

 「初めは道路標識が色あせていたので、塗り直すものだと思っていたが、学びの千里の道、光復の千里の道の基本区間であるので、革命戦績地や史蹟地につながっているからではないかとの声が上がった」

デイリーNKジャパン

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