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【高橋洋一 日本の解き方】原発「処理水」の海洋放出決断、当たり前のことをやる菅政権 風評被害あおる一部マスコミの報道姿勢 (1/2ページ)

 菅義偉政権は福島第1原子力発電所の処理水について、海洋放出する方針を月内にも正式に決めるとみられている。漁業関係者が風評被害を懸念しているとも報じられているが、今回、放出の決断に向けて前進したのはどのような要因があるのだろうか。

 2019年9月、大阪市の松井一郎市長は、記者会見で「メディアは汚染水という表現はやめた方がいい。あれは処理水」とした上で、一部メディアを名指しして批判した。その上で、福島第1原発処理水の大阪湾放出に応じる意向を示し、話題を呼んだ。

 「汚染水」とは、原子炉内で溶けて固まった燃料を冷却するために使用した後の水だ。これには有害な放射性物質が含まれている。一方、「処理水」とは、汚染水から有害な放射性物質を除去し、無害化させたものだ。三重水素(トリチウム)だけは除去が難しいものの、これは自然界のあらゆる水の中に存在するので、適切に希釈すれば、海洋放出しても問題はなく、実際に世界中で行われている。

 処理水を大阪湾に放出という松井市長の意見は決してとっぴではなく、世界中で行われているものだ。あえて大阪湾といったのは、風評に科学が負けてはいけないという強い信念をわかりやすく言ったものだろう。

 菅政権としても、無害な処理水をいつまでも貯蔵しているつもりはない。当たり前のことを行うというのが、菅政権のモットーなので、処理水放出の決定は時間の問題だった。

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